リハビリテーションとは
当院では、整形外科における治療の一環として「運動器リハビリテーション」を行っております。
運動器リハビリテーションとは、骨や関節、筋肉、靱帯、神経などの運動に関わる組織に障害が生じた際に、それを回復・改善し、日常生活に必要な動作能力を取り戻すために行うリハビリのことです。
骨折や捻挫、関節痛、手術後の回復など、様々な疾患や外傷の後に、動きにくさや痛みが残ることがあります。そのような状態をそのままにしておくと、筋力の低下や関節の拘縮、再発のリスクにつながることもあります。
運動器リハビリでは、患者さま一人ひとりの状態に応じて、医師の指示のもと、理学療法士がマンツーマンで機能回復をサポートしていきます。
ウィメンズヘルス
(女性のためのリハビリ)
妊娠・出産に伴って女性ホルモンのバランスや姿勢が変化することや、腹筋や骨盤底筋が引き伸ばされること、授乳や抱っこ時に不良姿勢になることにより身体への負担が大きくなります。
そのため、腰痛や腹筋・骨盤底筋の筋力低下、尿もれ、膝や肩などの関節の痛み等の症状が生じやすくなります。
妊娠・出産は身体に非常に大きなダメージを与えるにも関わらず、そのケアは後回しにされがちです。身体の不調を一人で我慢せずにしっかりケアを行っていきましょう。
妊娠中・出産後に起こりうる症状
- 腰が痛い
- 咳やくしゃみをすると尿がもれる
- 膝や肩、肘が痛い
- 骨盤周りが痛い
- お腹に力が入りにくい
- 坐骨神経痛
このような症状やお悩みがある方はご相談ください
- 肩や膝など関節が痛い、動きが悪くなった(四十肩・五十肩など)
- 腰痛が続き、日常生活に支障が出ている
- 骨折や捻挫のあと、関節や筋肉が硬くなった
- 歩行中によろけるなど、バランスが取りづらく、うまく歩けなくなった
- 食事や着替え、洗濯物を干すなど日常生活でうまくできないことがある
- 肩こりや腰痛に悩んでいる
- スポーツでけがをするなどし、筋肉や関節に障害が出た
- 立ち座りや階段の昇降が難しくなってきた
- 筋力が落ちて疲れやすくなった
- 転倒を繰り返してしまう
- 手術後の関節の可動域が狭くなった
- 人工関節手術を受けた
- 出産時の傷がいつまでも痛む方
- 抱っこや授乳の姿勢がつらいと感じる方
- 妊娠中、出産後に尿もれしている感覚がある方
- 出産後にどのくらいの負荷で運動を始めたらよいか分からない方
- など
リハビリ対象の主な疾患、外傷
- 骨折後の関節拘縮・筋力低下
- 捻挫や打撲などの外傷全般
- 変形性関節症(膝・股関節・肩など)
- 腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症
- 肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
- 脱臼や靱帯損傷後の可動域制限
- 手術後(人工関節置換術、骨接合術など)の回復期
- スポーツ障害(テニス肘、ジャンパー膝など)
- 骨粗鬆症による脆弱性骨折
- 神経障害性疼痛や末梢神経障害
- 関節リウマチ
- 加齢に伴う筋力低下(サルコペニア)
- など
リハビリテーションの種類
物理療法について
物理療法とは、温熱や電気、超音波などの「物理的な刺激」を利用して、痛みを和らげたり血流を改善したりする治療法です。急性期の炎症が治まり、動かせるようになってきた段階から行われることが多く、慢性的な痛みにも効果があります。
手術後の回復期にかけて、症状の緩和と機能回復のサポートに用いられることもあり、組織の修復促進を図る重要な治療法です。
温熱療法
ホットパックやマイクロ波などで患部を温めることで、血流を促進し、筋肉の緊張を和らげる治療法です。
慢性的な肩こりや腰痛、関節のこわばりなどに効果があり、リハビリの前に行うことで可動域訓練がスムーズになるメリットもあります。
電気療法
低周波や干渉波などの電気刺激を筋肉や神経に与える治療法で、痛みの緩和や筋肉の働きを促す目的で行います。
ぎっくり腰や肩の痛み、神経のリハビリにも有効です。電気刺激によって血流も改善され、回復を早めることが期待されます。
超音波療法
治療用の超音波機器を利用して、血流を促進し、痛みや炎症を和らげたり、細胞の活性化などを促す治療法です。
受傷してすぐに治療を始めることで痛みや腫れが早く改善し職場復帰やスポーツ復帰を早めることができます。この治療は基本的には痛みを伴いません。スポーツ外傷や慢性的な痛み、関節炎などの症状を軽減するのにも役立ちます。
骨折超音波治療
骨折部位に低出力超音波パルスを照射することで、正常な骨折修復を促進させる治療法です。
近年では超音波が細胞を活性化させ自然治癒力を高めることがわかっており、骨癒合までの日数を短縮する効果が期待されています。治療器を患部に当てるだけで行われるため、痛みや違和感もほとんどありません。
運動療法について
運動療法とは、理学療法士の指導のもと、関節や筋肉を動かすことで、身体機能の回復や再発予防を目指すリハビリです。
症状の改善とともに、日常生活や仕事、スポーツ復帰など、それぞれの目標に応じてプログラムが組まれます。
関節可動域訓練(ROM訓練)
硬くなった関節を無理なく動かすことで、元の可動域を取り戻すための訓練です。
理学療法士の手で関節をゆっくりと動かすこと(他動運動)や、患者さま自身の意思で動かすこと(自動運動)を促すなどして、関節の柔軟性を高めていきます。
手術後や長期固定後の拘縮予防にも用いられます。
筋力増強訓練
衰えた筋力を回復させ、再発予防や動作の安定性向上を目的に行う訓練です。
関節に負担がかからないように調整されたメニューで、下肢や体幹の筋力アップを目指します。
日常動作の改善や転倒予防に大きな効果があります。
協調性訓練
身体のバランスを整え、体の各部位をスムーズに連動させて動かすための訓練です。
特に脳卒中後や神経障害などがある場合や、運動後の違和感が続くケースで用いられます。歩行中のふらつきや階段昇降の困難さがある方に適しています。